奈良町からくりおもちゃ館概要

奈良町からくりおもちゃ館は、奈良町の伝統的な町家の空間で、昔ながらのおもちゃに触れて遊ぶことができる体験型の施設です。

 

子どもからお年寄りまでが一緒になって遊ぶ世代間交流の場として、また、地域の人々と観光客が交流を深める場として、平成24年4月、奈良市により開設されました。現在、NPO法人からくりおもちゃ塾奈良町が指定管理者として運営しています。

 

明治23年に建てられた母屋と、往時の姿をとどめる中庭、平成24年に新築された工房棟からなり、母屋1階には、復元された江戸時代以降のからくりおもちゃを常設展示し、自由に遊ぶことのできるスペースとなっています。

 

木や竹・和紙などの自然素材のやさしさに触れながら、昔の人々の知恵や工夫を発見してほしいとの思いから、おもちゃはすべて実際に触って遊ぶことができ、スタッフが由来などを説明しながら一緒に遊びます。

 

また、からくりおもちゃの魅力や、日本の伝統的な文化・技術を伝える目的で、毎月1回からくりおもちゃの製作体験講座を開催しています。


建物について

奈良町からくりおもちゃ館は、奈良町の活性化と奈良市の観光振興に役立ててほしいと奈良市へ寄贈された旧松矢家住宅を活用したものです。

 

現在、奈良町からくりおもちゃ館となっている場所は、明治期に名声を博した「松利」という料理屋の一部でした。からくりおもちゃが展示されている母屋は、明治23年に「松利」の離れとして建てられたもので、伝統的な奈良町の町家の様式を随所にとどめ、奈良市の都市景観形成建築物等に指定されています。

 

また、庭の奥には工房棟を新たに設け、製作体験教室や講演会を行ったり、夏休み・春期・秋期・正月など季節ごとにさまざまな遊びが体験できるスペースとして開放しています。

 

さらに、庭には椿の大木や山茶花、梅、桜、石楠花、紫陽花、萩など、四季折々の花が植えられており、メジロなどの小鳥が集う、落ち着いた空間となっています。


からくりおもちゃについて

奈良町からくりおもちゃ館が所蔵するおもちゃは、奈良大学名誉教授鎌田道隆氏より奈良市に寄贈されたもので、復元されたからくりおもちゃに加え、各地の郷土玩具や、ベーゴマ・だるまおとしなどの昔懐かしいおもちゃ、合計約600点を数えます。

 

なかでも、からくりおもちゃは200点にのぼり、2ヶ月に1回程度展示替えをしながら、常時30点ほどのおもちゃに触れて遊ぶことができます。

 

おもちゃが庶民の間に流布するのは江戸時代中期頃からで、江戸時代後期には多くのからくりおもちゃが考案され、売られるようになっています。奈良町からくりおもちゃ館では、それらの様子を描いた浮世絵や絵本、随筆などの絵画資料や文献資料をもとに復元したおもちゃを展示しています。これらの復元玩具は、奈良大学文学部史学科鎌田研究室で、昭和61年より25年間にわたって近世史研究の一環として取り組んできた研究の成果です。

 

からくりおもちゃには、昔の人々の知恵や工夫、技術やアイデアが溢れています。昔の人は、木や竹や和紙・土・糸などの自然素材を組み合わせて、思いがけない動きをする仕掛けを生み出しています。からくりおもちゃで遊ぶと、きっと驚きや発見がたくさんあることでしょう。


近隣施設案内・ならまち観光情報

鎮宅霊符神社

鎮宅霊符神社写真

祭神は、天御中主神(あめのみなかぬしのみこと)。この神社について創建年代は明らかではありませんが、陰陽師とのかかわりの深い神社です。鎮宅霊符神は、もともと道教の神で北辰(北極星)・北斗(北斗七星)を神格化したものといわれ、北辰は北天にあって決して動かないことから、宇宙すべてを支配する最高神(天帝)として崇められました。北斗七星は天帝の乗り物とされ、北辰北斗に祈ると厄災を免れ、福がもたらされるという信仰が生まれ、神道では天地創造の神である天御中主神と習合しました。

 

霊符とは護符のことで、神仏の加護を受けるための紙の札です。鎮宅霊符は、新しく建てられた家屋に入居する際、家の長久と家内安全を祈って家の中に貼る霊符で、おもに陰陽師によって発行されました。(奈良町からくりおもちゃ館の東隣)

なら工藝館

なら工芸館写真

からくりおもちゃ館の北約150メートル、ならまち大通りに面した阿字万字(あぜまめ)町にあります。1300年におよぶ奈良の歴史の中で、研ぎ澄まされてきた奈良工芸の一層の振興発展のため、「受け継ぐ」「創作する」「開放する」の三つの基本理念を持つ施設です。


一刀彫、赤膚焼、筆、墨、古楽面、鹿角など、数数の伝統工芸品の展示のほか、これらの販売コーナーもあります。


また、一刀彫、織物(秋篠手織・奈良晒)、木工、基礎造形(古楽面・彫塑)、ろうけつ染、トンボ玉の制作教室や、工芸に関する相談も行っていますので興味のある方はなら工藝館にお問い合わせください。(奈良市阿字万字町1の1、電話0742-27-0033)

奈良市杉岡華邨書道美術館

杉岡華邨書道美術館(すぎおかかそんしょどうびじゅつかん)写真

からくりおもちゃ館が建つ陰陽町の東側、脇戸町(わきどちょう)にある、奈良市立の美術館です。


杉岡華邨氏は日本かな書界の第一人者として知られ、1995年には文化功労者となられ、2000年秋には文化勲章を受章されました。


杉岡華邨書道美術館は、杉岡氏から奈良市へ多くの作品が寄贈されたのを機に、氏の功績をたたえ、貴重な作品を長く世に伝えるとともに、書道の発展に寄与するため、2000年8月に書道専門の美術館として開館しました。


杉岡華邨氏は、残念ながら2012年3月に98歳で永眠されましたが、その功績は街並みに溶け込んだ白い建物で、末永くたたえられることでしょう。(奈良市脇戸町3番地、電話0742-24-4111)(からくりおもちゃ館から東へ約150m)

森家住宅

以下リンク先ページの「周辺のみどころ」をご参照ください。

奈良市観光経済部観光振興課 奈良町からくりおもちゃ館のページ

細川家住宅

以下リンク先ページの「周辺のみどころ」をご参照ください。

奈良市観光経済部観光振興課 奈良町からくりおもちゃ館のページ